債権者と投資家

会社の決算書を見る時に銀行等の債権者と株主の方では同じ決算書でも重視する内容が異なってきます。

債権者の代表である銀行を例にとると、銀行は貸したお金を確実に回収する(返済してもらう)ことを重要視します。

つまり、決算書でいうと会社のフローを表す「損益計算書」よりも会社の財政状態を表す「貸借対照表」の方を重視することになります。

ですので、基本的には債務の返済能力を示す流動比率や自己資本比率を重視して決算書をみていくことになります。

逆に株主の立場で会社をみると株主が会社から受け取ることができるのは、配当金か株価の値上がりによるキャピタル・ゲインのいずれかです。

配当もキャピタル・ゲインも会社の収益性によってその額が大きく左右されます。

従って株主の立場からみると会社のフローを示す「損益計算書」の方を重視することになり、ROE(Return On Equity、自己資本利益率)が重要な指標となる訳です。

このように同じ決算書でも立場が違うと重視する計算書類や指標が変わってくるので、企業側も誰に対して決算内容を説明しているのかを考えて説明を行う必要があると思います。